24式太極拳の技一覧!動きや構え、用法も解説します
簡化24式太極拳の技を解説します。
健康体操としても効果が高いですが、攻撃してくる相手から身を護ることを目的に、中国の村で武術として生まれたのが太極拳です。
力の弱い者が強い者を制圧できるような技法が、太極拳には含まれています。
練習相手とたくさん技術を磨けば、必要に迫られた時に対応する動作が身についていくでしょう。
拳や蹴りを避けたり、掴まれた手を振りほどいたり、関節技をかけたり、様々な基本の技術があります。
応用すれば無限の技が生まれる可能性があるでしょう。
この記事では太極拳の技を紹介していきます。
目次
24式太極拳の技一覧
1.起勢 | きせい | qǐ shì |
2.左右野馬分鬃 | さゆうやばぶんそう | zuǒ yòu yě mǎ fēn zōng |
3.白鶴亮翅 | はっかくりょうし | bái hè liàng chì |
4.左右摟膝拗歩 | さゆうろうしつようほ | zuǒ yòu lǒu xī ǎo bù |
5.手揮琵琶 | てきびわ | shǒu huī pí pá |
6.左右倒巻肱 | さゆうとうかんこう | zuǒ yòu dào juàn gōng |
7.左攬雀尾 | さらんじゃくび | zuǒ lǎn què wěi |
8.右攬雀尾 | ゆうらんじゃくび | yòu lǎn què wěi |
9.単鞭 | たんべん | dān biān |
10.雲手 | うんしゅ | yún shǒu |
11.単鞭 | たんべん | dān biān |
12.高探馬 | こうたんば | gāo tàn mǎ |
13.右蹬脚 | ゆうとうきゃく | yòu dēn jiǎo |
14.双峰貫耳 | そうほうかんじ | shuāng fēng guàn ěr |
15.転身左蹬脚 | てんしんさとうきゃく | zhuǎn shēn zuǒ dēn jiǎo |
16.左下勢独立 | さかせいどくりつ | zuǒ xià shì dú lì |
17.右下勢独立 | ゆうかせいどくりつ | yòu xià shì dú lì |
18.左右穿梭 | さゆうせんさ | zuǒ yòu chuān suō |
19.海底針 | かいていしん | hǎi dǐ zhēn |
20.閃通臂 | せんつうひ | shǎn tōng bì |
21.転身搬攔捶 | てんしんはんらんすい | zhuǎn shēn bān lán chuí |
22.如封似閉 | にょふうじへい | rú fēng shì bì |
23.十字手 | じゅうじしゅ | shí zì shǒu |
24.収勢 | しゅうせい | shōu shì |
簡化24式太極拳の拳譜(けんぷ)は以上です。
日本語読みとピンイン(中国語読み)をつけました。
1式の1動作にそれぞれ5~6種類の基本技と数十の応用技が内包されているのが通常です。
中国武術の伝統的な太極拳の一門では、対人の用法を詳細に指導します。
伝統拳ではなくても簡化24式太極拳の用法を習得すれば、武術として完全に成り立つでしょう。
起勢(きせい)
力の起こりです。
湧き出すような力が丹田(たんでん≒下腹部)から発生します。
体をゆるめて意念(いねん≒イメージ)を整え、力の発現を促せば、力の発生を感じられるでしょう。
手を上下させるのではなく、丹田からの力で腕があがって、丹田に力が戻るので腕がさがるような感覚です。
その使用方法は、前に進みながら両手の掌で打つ用法が一つです。
相手の攻撃を上方に受け流して両手の掌で反撃する方法もあります。
両手を掴まれたら振りほどくのも一つの方法です。
両手を掴まれた時に力を伝えて退かせる方法もありますし、纏絲(てんし)を効かせて投げる方法もあります。
自分から仕掛けて関節技をかけたり、投げたりする技にも応用できます。
大事なのは常に丹田を意識する事です。
怪我をしないように初めはゆっくり、信頼できる練習相手と技を試してみてください。
野馬分鬃(やばぶんそう)
馬のタテガミをなで分ける動作です。
起勢よりも多くの動作があるので、技の数も多くなります。
体をゆるめてボールを抱えるような形になり、前に進みながら馬のタテガミをなで分けるような動作をする型です。
丹田(たんでん≒下腹部)に意念(いねん≒イメージ)を集約して、前に進みながら解放します。
使用方法でこちらから仕掛ける打撃技は、両手で前に出ながら攻撃する方法や、抱えて掌で打つ方法などです。
相手の攻撃を受けながして、突きで反撃したり、関節技をとったり、投げたりする技もあります。
自分から仕掛けて肘関節を取ったり、相手の正面側や背面側に投げたりする事もできるでしょう。
背面側は受け身がとりづらいので、頭を打たないように注意してください。
怪我をしないように初めはゆっくり、信頼できる練習相手と技を試してみてはいかがでしょうか。
倒巻肱(とうけんこう)
腕を捻りながら後ろに下がる動きです。
はじめに掌と肘や腕の内側がひっくり返って上を向きます。
大きく広げた後に、集約しながら下がるイメージです。
纏絲(てんし=捻る動作)と開合(かいごう=体を開いて閉じる動作)を意識すると気を感じられるでしょう。
使用方法は、後ろ足に体重を乗せたまま掌で打ちます。
また、相手の攻撃を受けて絡めとって掌で打ったり、関節技をとったり、投げたりする事もできるでしょう。
自分から仕掛けて打ったり、関節技をきめたり、投げたりすることもできます。
急激に引き込まれると首や腰を痛めることがあるので、気を付けてください。
怪我をしないように初めはゆっくり、信頼できる練習相手と技を試してみてはいかがでしょうか。
単鞭(たんべん)
五本の指先を揃えて勾手(こうしゅ)をつくり、移動しながら腕でなぎ払うような動作です。
勾手は相手の攻撃を流して引っかけたり、相手の手を掴んで引き込んだり、そのまま打ったりする動作を表します。
なぎ払う動作では体当たりや肘打ちや掌打や投げ技などが出来るでしょう。
また、蹴ったり足を引っかけたりすることも出来ます。
陳式太極拳が生まれる前から、戚継光(せきけいこう)の紀效新書(きこうしんしょ)に書いてある動作です。
太極拳に限らず様々な武術で取り入れられている動作になります。
地面から手の先に力を伝えるように意識すると良いでしょう。
投げ技などでは怪我をしないように、初めはゆっくり、信頼できる練習相手と試してみてはいかがでしょうか。
攬雀尾(らんじゃくび)
支えて、引き込み、押して、抑えて押し返す動作です。
支える動作が掤(ぽん)、引き込む動作が捋(りー)、押す動作が擠(じー)、抑える動作が按(あん)になります。
太極拳の基本である四正(しせい)を表す動作です。
私も套路を習う前の基礎練習で、四正(しせい)だけを毎日数時間、何カ月も練習した記憶があります。
手や腕が互いに触れないようにして動作をすると、気を感じられるでしょう。
四正それぞれに、仕掛ける攻撃技と受けて反撃する技、掴まれた時に解く技と関節技や投げ技、仕掛ける関節技や投げ技などがあります。
纏絲(てんし)や発勁(はっけい)を加えると、より武術として使いやすくなるでしょう。
怪我をしないように、初めはゆっくり、練習相手と試してみてはいかがでしょうか。
太極拳の技に関するQ&A
初心者の人は様々な疑問があると思います。
先生や先輩に質問しても、欲しい答えが得られない場合もあるでしょう。
疑問が生まれるのは興味が深まって来ていたり、見る目が養われて来ていたり、上達して来ていたりする証拠です。
その場で解決しなくても考え続けて気にし続けていれば、角度を変えて質問できるようになるなどステップアップできるので、諦めずに時を待ってください。
簡化24式太極拳の覚え方のコツや、初心者向けの動画や、練習におすすめの音楽を紹介します。
24式太極拳の覚え方のコツは?
太極拳の覚え方のコツは諦めないで練習することです。
ややこしい動きも、一式では無く一動作、または手だけの一動作や足だけの一動作などを何度も繰り返して練習すれば、少しずつ身についていきます。
神経コネクションが出来るまでは時間がかかるので、少しでも每日練習することが必要です。
あせらずに太極拳の練習に取り組んでください。
あまり気が進まないかも知れませんが、自分の動きを動画に残すことをおすすめします。
数週間から数カ月後に動画を確認すると、自分が上手くなって来ている事がわかるでしょう。
成長している事が確認できればモチベーションもあがります。
諦めずに太極拳の練習を続けてください。
日本では150万人、世界では1億5千万人の太極拳仲間が応援しています。
24式太極拳の初心者向けの動画は?
https://www.youtube.com/@shin-taichi
私も初心者向けに、気功体操10種と簡化太極拳の初級8式をyoutube に投稿しています。
よろしかったら参考にしてください。
12式と24式もアップロードしていきたいと思っています。
形がきれいで私が好きな劉先生の動画です。
足を上げたり低い姿勢になったりは、無理をせずにできる範囲で真似をしてみてください。
24式太極拳の練習におすすめの音楽は?
風の音や鳥のさえずりや水の流れる音など、自然の音です。
音楽をかけて練習する教室もありますが、集中して気を感じたり、相手を感じたりするためには音楽は無くて良いと思います。
自分や相手の息づかいや、靴や服のこすれる音などを感じながら練習すると良いでしょう。
いくつかの大きい木がある公園などで、自然を感じながら練習するのが一番良いと感じます。
室内で音楽を聞きながら練習したい場合は、自分がリラックスできる好きな音楽や音源がおすすめです。
リラックスできて体が緩む音楽を聞くと、気の流れがとても良くなります。
気を感じたい人は、生の太鼓の演奏など、腹の底が振動するような音を聞くと気感(きかん)が早く得られるでしょう。
風の音や鳥のさえずりや水の流れる音など、自然の音を感じながら太極拳の練習をすることをおすすめします。
まとめ:24式太極拳の技を練習してみましょう
太極拳の動作には様々な技が含まれています。
突きや蹴りを避けたり、掴まれた手を振りほどいたり、関節技をかけたり、様々な基本の技術があり、応用すれば無限の技が生まれる可能性があるでしょう。
通常は一動作に、仕掛ける攻撃技と受けて反撃する技、掴まれた時に解く技と関節技や投げ技、仕掛ける関節技や投げ技などがあります。
怪我をしないように、信頼できる練習相手と一緒に、少しずつ試してみてください。
1人で動く動作も相手と動く動作も、每日少しずつでも練習すれば、徐々に神経コネクションが構築されて、上達して行きます。
自分が動いている動画を撮っておいて後から確認すると、上達しているのがわかりやすいです。
自然の音を感じられる場所で相手を感じながら動くと、お互いに気を感じる事ができるでしょう。
太極拳の技の練習で気の流れが良くなれば、より健康になって、武術としての技術も向上して行きます。
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