病院で「異常なし」なのに、だるい・眠れない|50代女性の不調に隠れているもの
50代女性の心と体
検査では異常が出ない。それなのに、体は少しも楽にならない。そんなとき、自分の感覚まで疑っていませんか?
「特に異常ありませんよ」
病院で検査を受けて、そう言われたことはありませんか?
血液検査を受けて、場合によっては心電図や画像検査も受けて、それでも「特に問題ないですね」と言われる。
大きな病気が見つからなかったことは、本当に良いことです。
でも、その瞬間に、自分のつらさまで「ありません」と言われたように感じてしまう方がいらっしゃいます。
そして、ふと、
「じゃあ、このつらさは何なの?」
そんなふうに思うことはないでしょうか。
目次
元気そうに見えるのに、本人はつらい
朝起きた瞬間から、体が重い。
しっかり寝たつもりなのに、疲れが残っている。
それでも、仕事へ行けば普通に動けます。人とも普通に話せます。
だから周りからは「元気そうじゃない」と言われる。
でも夕方になると、もう何もしたくない。肩や首はガチガチで、頭が重い。
家に帰ったら、ソファから動けない。
そして、だんだんこう思うようになります。
「私が気にしすぎなのかな」
「年齢だから仕方ないのかな」
自分の感覚まで、疑い始めてしまうんですね。
でも、最初にお伝えしたいことがあります。
検査で大きな異常が見つからなかったことと、今つらいと感じていることは、別の話です。
検査結果が正常だからといって、感じている症状が嘘になるわけではありません。
「なんとなくつらい」というその感覚も、ご自身の体を知る大切な情報の一つです。
50代の不調を、更年期だけのせいにしない
50代前後では、更年期による体の変化があります。
疲れやすい。眠りにくい。イライラする。不安になる。頭が重い。肩や腰がつらい。
人によって、さまざまな症状を感じることがあります。
ただし、全部を更年期のせいにしてしまうのも違います。
だるさや疲れやすさについても、まず内臓など他の病気が隠れていないかを確認することが大切です。
私は薬剤師ですので、ここは非常に重要だと思っています。
- 症状が続いているなら、必要な検査を受ける
- 医師に相談する
- 薬が必要なら、適切に使う
そのうえで、病気だけでは説明しきれない部分については、もう少し広い視点で、生活全体を見てみることも必要だと感じています。
最近、ちゃんと眠れていますか。
いつも時間に追われていませんか。
職場で嫌なことを我慢していませんか。
親の介護。夫婦のこと。子どものこと。お金のこと。老後のこと。
頭の中がずっと動き続けていないでしょうか。
そして、自分のことはいつも最後になっていませんか。
50代というのは、体の変化だけではなく、
人生の中でも、いろいろな負担が重なりやすい時期です。
心と体は、もともと別々ではありません
私たちは、体の不調と心の状態を、別々のものとして考えがちです。
でも、実際の日常を思い出してみてください。
ものすごく緊張したとき、肩が上がりませんか。
嫌なことを言われたとき、胸がギュッとすることはありませんか。
心配ごとがある夜は、布団に入っても頭の中で考え続けて眠れない。
腹が立っているのに「大丈夫です」と我慢していると、顎を噛みしめたり、肩や首に力が入ったりする。
反対に、安心できる人と話していると、自然に「はぁー」と息が出る。
好きな場所へ行くと、体まで軽く感じる。
心と体は、完全に別々ではないのだと思います。
ですから「検査では異常がない」となったときに、「では何も問題がない」で終わるのではなく、こんなところにも目を向けてみてください。
- 自分の体に、どれくらい緊張があるのか
- 呼吸が浅くなっていないか
- 眠れているか
- 自分でも気づかない感情を、抱え続けていないか
今までとは違う気づきが得られることがあります。
東洋医学と気功が見ている「心と体のつながり」
東洋医学では昔から、心と体を一つのものとして捉える考え方があります。
そして氣功では、呼吸、姿勢、体の力み、意識、自分の内側の感覚。
こうしたものを丁寧に感じながら、心と体を整えていきます。
「氣」と聞くと、少し怪しいなと思う方もいらっしゃると思います。
それで構いません。最初から信じる必要はありません。
むしろ私は、ご自身の体で確かめてみてほしいと思っています。
今、この文章を読みながら、肩に力が入っていることに気づくだけでもいい。
息を止めていたことに気づく。
胸のあたりが詰まっていたことに気づく。
それだけでも、今まで外側ばかりを見ていた意識が、少し自分の内側へ戻ってきます。
氣功の最初の一歩は、特別な能力を身につけることではありません。
自分の体が今どう感じているのか、それを感じられる自分に戻ることです。
椅子に座ったままできる、1分の氣功ワーク
動画の後半では、実際に一緒にやっていただけるワークをご紹介しています。
道具も場所もいりません。椅子に座ったままで大丈夫です。
-
姿勢を整える
両足の裏を床につけ、坐骨で座って背骨を立てます。胸を張る必要はありません。腰は反らないように。顎は引くのではなく、鼻を後ろへ引きます。頭のてっぺんが、上から一本の糸で引かれているようにイメージします。 -
肩の力を抜く
肩を一度持ち上げて、そのままストンと落とします。 -
両手のひらをひねる
胸の前に両手のひらを用意し、息を吐きながらひねっていきます。吐ききったら、吸いながら元へ戻します。腕には裏表6本の氣の通り道(経絡)があり、腕をひねると刺激されて、全身の氣の巡りが変わってきます。 -
頭から丹田へ下ろす
両手を頭の上へ上げ、息を吐きながら手のひらを下に向けて、ゆっくり下ろしていきます。頭、顔、喉、胸、みぞおち、お腹、そして下腹部へ。頭に集まっていた考えごとや、胸の中にあった緊張も、両手と一緒に下ろしていくようにイメージしてください。 -
丹田に手を重ねる
おへその少し下に両手を重ねます。ここを氣功では丹田と呼びます。そのまま、自然に一呼吸。吸って、ゆっくり吐きます。
終わったら、最初と比べてみてください。
肩。呼吸。胸。頭の中。少しでも違いがありますか。
分からなくても大丈夫です。何かを感じなければいけないわけではありません。
自分の体に意識を向けた。それだけでも第一歩です。
動画で詳しくお話ししています
氣功ワークは動画の5分59秒から始まります。
見ながら、ご一緒にどうぞ。
「異常なし」でも、つらさを否定しないでください
病院で「異常ありません」と言われた。それは、一つの安心材料です。
でも、だからといって、感じているつらさまで否定する必要はありません。
大切なのは、病気がないか確認すること。
そのうえで、自分の心と体に何が起きているのかを、もう一度丁寧に感じてみることです。
50代は、これまで家族や仕事のために頑張ってきた方が、少しずつ自分自身へ戻っていく時期でもあると私は思っています。
本当に疲れているのか。
本当は何が嫌なのか。
何をすると心地よいのか。
本当は、これからどんな毎日を送りたいのか。
そういった自分の感覚を、少しずつ取り戻していく。それも氣功の大切な役割の一つだと思っています。
「異常なし」と言われても、ご自身のつらさまで「たいしたことない」と決めつけないでください。
自分の心と体の声を聞くことは、自分を大切にすることでもあります。
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